はじめての春日山原始林

facebookで赤い実の写真をアップしたら、なんだか、初めてきちんと春日山原始林を歩いた時のことを思い出したので、当時の写真をつかいつつ、振り返ってみようと思います。

はじめて春日山原始林をきちんと歩いたのは、2014年の2月。参加していた起業家支援のプログラムで、「奈良の自然」をテーマにしていたため、春日山原始林を一度歩いておかなくちゃ。という思いからです。ちょうど前日は雪が積もり、飛火野で行われていた鹿寄せでは、雪の上に鹿たちの足跡が無数に残されていました。

飛火野から参道を歩き、ささやきの小径へ、小道の店で炊き込みご飯のお握りを買って、高畑の道路を歩き春日山遊歩道から入りました。
この時の写真を見返すと、歩道沿いの電信柱の写真がありました。鹿の絵が描いてある。
どこいっても鹿が登場する奈良。この描かれている鹿は、なんだかレトロな雰囲気で心にとまったんだなってことを思い出しました。

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遊歩道から山へ入ると予想通り雪が積もっていて、心が躍りました。普段なかなか見ることのない光景がきっと見れるはずと。歩き始めて、しばらく行くと、「春日神社境内」と彫られた岩がありました。その岩に生える苔や地衣類、そして彫られた文字に残る赤色がなんともいえず素敵。
そして、ここが神聖な場所なんだという意識をしました。

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さらにてくてくと雪の中を歩いて行くと、雪の影響で道は大変なことになっていました(笑)。
倒木です。大きな木が倒れ、歩道を塞いでしまうほどの倒木があちこちにありました。

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前日までの雪は確かによく降ってはいましたが、この程度でこれほどまでに倒木してしまうことがあるのか?ということに少しショックをうけました。でも、折れた木の幹や年輪のはっきりした木々を見ているうちに、水分のしっとりした木の年輪や虫食い?のような模様を美しいと感じるようになりました。また、あたりには倒木によって木の香りが溢れて雪の翌日の快晴の中、ピリッとした空気に爽やかさを与えてくれていました。

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また、降り積もった雪は普段気がつくことのないものをたくさん紹介してくれていました。どんぐり、幾つかの木の実、トンボの死骸、繭、そして、動物たちの足跡。森が生き物たちや植物たちの生活の場であることをダイレクトに感じることができました。

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なんの足跡かはわかりませんが、足跡を見るだけで生き物たちの息遣いを感じることができとても嬉しかった。

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この時は、まだどんぐりについて何にも知りません。スダジイのようだけど明らかに形が違うし。。。と思ったことを覚えています。

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蛾の繭。中には蛹がいました。こういったものも雪の日だと簡単に見つけることができます。

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ムクロジ(無患子)の実。飴色に変化していく実もたくさん落ちていました。

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椿の実の殻。別に街でも椿は植わっているし、木の実の殻も普段目にすることもある。だけど、森の中で雪の上でみると、何だか魅力が倍増しているようにも感じました。

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トンボの死骸。オニヤンマの仲間か、サナエトンボか。バラバラになっているのになぜかとても美しいと感じてしまいました。

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ここで出会ったのが、この赤い実でした。白い雪の上に赤が目に飛び込んできて、とても綺麗だったことを覚えています。数年経ったいまでもこの時の赤の印象が強いため、いまも森で木の実を見かけると「ハッ」とさせられます。

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雪の上にばらまかれたモミジの葉。色は赤ではなくてオレンジっぽかったような気がしています。まるで計算し尽くされているかのようなバランスの良い配置で雪の庭を作り出されていました。

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今思えば、雪のおかげで普段の原始林では考えられないくらいの野趣のある道となり、鶯の滝へ着いた時はそれなりの達成感がありました。大きくはないけれど、バランスのとれた美しい滝。嬉しくて、数枚自撮りをしていました。ここでは載せませんが。

そして、遊歩道をさらに歩き、若草山山頂へ。
雪の残る若草山から見る奈良の街は「歩いてきてよかった」と心から思える景色がありました。しかも、誰かが作った雪だるまが。

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初めての春日山原始林は、なかなか遭遇することのできないシチュエーションで歩いたこともあり、僕自身がこの場所の虜になるには十分な経験となりました。今改めて振り返ると、自分が伝えたい思いはこの時の自分が感動したことなんだなとおもいました。

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11月26日、秋の彩を楽しむツアーを実施します。僕自身が感じること、素敵だと思うこと、感動することをまずみなさんにも知ってもらう。そして、みなさんにもそれぞれの感じ方、捉え方で原始林を感じてもらいたい。そんな風に思っています。
http://narashikanko.or.jp/genshirin/

最後に、遊歩道の途中で撮った動画がありました。映像よりも音がとても気持ちよかったので、記録したのではないかと思います。
良く晴れて空気の澄んだ日でした。

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